うどんてっくメモ

技術的なメモをまったりと

【Unity】Unity2021.2からのScene Debug View Modes

はじめに

先日Unity2021.2.0f1がリリースされ、いよいよ2021.2系のUnityが正式に使えるようになってきました。
その新機能の一つであるScene Debug View Modesについて紹介します。

検証しているツールとパッケージのバージョンは以下の通りです。

  • Unity 2021.2.0f1
  • Universal Rendering Pipeline 13.0.0

バージョンによっては挙動が違うことがありますので、ご注意ください。

Scene Debug View Modes

Scene Debug View ModesはUnityの描画情報について、シーンビュー上の描画物に対して表示できるという機能です。

f:id:myudon:20211031152411p:plain

たとえば法線の情報だったり、色の情報だったり、ライティングの情報だったり、描画周りの情報を調整する際に活用できます。

使い方

WIndow -> Analysis -> Rendering Debuggerからウィンドウを開きます。

f:id:myudon:20211031192003p:plain:w480

Quick Searchを使用している方はRendering Debuggerと検索してしまうのが一番早いです。

f:id:myudon:20211031192031p:plain:w480

Frequently Used

使用頻度が高い項目がまとまっているページです。

f:id:myudon:20211031183740p:plain

項目についてはこの後の個々の部分の説明を参照してください。

Materials

マテリアルに関する情報のページです。

f:id:myudon:20211031190013p:plain

f:id:myudon:20211031190029p:plain

Material Filtersではシーン上のMaterialについて、任意のパラメータのみをフィルタリングして確認することができます。

f:id:myudon:20211031191433p:plain

たとえば上の画像ではMaterialに設定された色情報となるAlbedoの値を表示し、他のMetalicなどの情報は反映されていない見た目になっています。

また特定の条件を満たすMaterialを抽出するMaterial Validationという機能も存在します。

f:id:myudon:20211031191032p:plain

たとえば上の画像では特定の輝度(Luminance)を閾値に可視化しています。 Minを下回るものは赤く、Maxを上回るものは青く表示されています。

Lighting

ライティングに関する情報のページです。ライティングの効果を主に確認することができます。 Shadow Cascade、Normalマップの反映の有無によるライティング、反射といった情報を選択可能です。

f:id:myudon:20211031192448p:plain

また、反映させる光の種類も任意のものにすることが可能です。

f:id:myudon:20211031192533p:plain

特定のLightによる効果や、環境光の効果など、ライティング効果をそれぞれ確認する際に役立ちます。

f:id:myudon:20211031192718p:plain

Rendering

描画全体に関わる設定を確認できるページです。

f:id:myudon:20211031192834p:plain

たとえばMap Overlayでは深度マップやシャドウマップといった情報を参照できます。
サイズを調整可能で、普通の描画結果を出しながら右上に表示することも、全体に重ねて表示することもできます。

f:id:myudon:20211031193346p:plain

f:id:myudon:20211031193359p:plain

MSAAやポストプロセスなどの反映を切り替えたり、ワイヤーフレームを表示したりできます。
従来のシーンビューにもありましたが、Overdrawを表示する設定もここで可能です。

f:id:myudon:20211031194137p:plain

また、特定の値のピクセルをフィルタリングするPixel Validationという機能も存在します。

f:id:myudon:20211031193727p:plain

あまりよろしくないNaNや負数を示すピクセルを見つけたり、特定の閾値でのフィルタリングを行うことが可能です。

f:id:myudon:20211031193701p:plain

上の画像は試しに特定のG値でフィルタリングした結果となります。 Minを下回るものは赤く、Maxを上回るものは青く表示されています。

おわりに

ふとした描画周りの調査をしたいという時に、手軽に情報をフィルタして知ることができる便利な機能です。 Unity2021.2ではさまざまな機能改修が行われていますが、その中でもRP(Rendering Pipeline)周りは大きく改修が入っています。 この他にもさまざまな改修があるので、興味のある方はこちらのページを見るのがおすすめです。

docs.unity3d.com