はじめに
先日Unity2021.2.0f1がリリースされ、いよいよ2021.2系のUnityが正式に使えるようになってきました。
その新機能の一つであるScene Debug View Modesについて紹介します。
検証しているツールとパッケージのバージョンは以下の通りです。
- Unity 2021.2.0f1
- Universal Rendering Pipeline 13.0.0
バージョンによっては挙動が違うことがありますので、ご注意ください。
Scene Debug View Modes
Scene Debug View ModesはUnityの描画情報について、シーンビュー上の描画物に対して表示できるという機能です。
たとえば法線の情報だったり、色の情報だったり、ライティングの情報だったり、描画周りの情報を調整する際に活用できます。
使い方
WIndow -> Analysis -> Rendering Debuggerからウィンドウを開きます。
Quick Searchを使用している方はRendering Debuggerと検索してしまうのが一番早いです。
Frequently Used
使用頻度が高い項目がまとまっているページです。
項目についてはこの後の個々の部分の説明を参照してください。
Materials
マテリアルに関する情報のページです。
Material Filtersではシーン上のMaterialについて、任意のパラメータのみをフィルタリングして確認することができます。
たとえば上の画像ではMaterialに設定された色情報となるAlbedoの値を表示し、他のMetalicなどの情報は反映されていない見た目になっています。
また特定の条件を満たすMaterialを抽出するMaterial Validationという機能も存在します。
たとえば上の画像では特定の輝度(Luminance)を閾値に可視化しています。 Minを下回るものは赤く、Maxを上回るものは青く表示されています。
Lighting
ライティングに関する情報のページです。ライティングの効果を主に確認することができます。 Shadow Cascade、Normalマップの反映の有無によるライティング、反射といった情報を選択可能です。
また、反映させる光の種類も任意のものにすることが可能です。
特定のLightによる効果や、環境光の効果など、ライティング効果をそれぞれ確認する際に役立ちます。
Rendering
描画全体に関わる設定を確認できるページです。
たとえばMap Overlayでは深度マップやシャドウマップといった情報を参照できます。
サイズを調整可能で、普通の描画結果を出しながら右上に表示することも、全体に重ねて表示することもできます。
MSAAやポストプロセスなどの反映を切り替えたり、ワイヤーフレームを表示したりできます。
従来のシーンビューにもありましたが、Overdrawを表示する設定もここで可能です。
また、特定の値のピクセルをフィルタリングするPixel Validationという機能も存在します。
あまりよろしくないNaNや負数を示すピクセルを見つけたり、特定の閾値でのフィルタリングを行うことが可能です。
上の画像は試しに特定のG値でフィルタリングした結果となります。 Minを下回るものは赤く、Maxを上回るものは青く表示されています。
おわりに
ふとした描画周りの調査をしたいという時に、手軽に情報をフィルタして知ることができる便利な機能です。 Unity2021.2ではさまざまな機能改修が行われていますが、その中でもRP(Rendering Pipeline)周りは大きく改修が入っています。 この他にもさまざまな改修があるので、興味のある方はこちらのページを見るのがおすすめです。